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アーティストについて
何梓羽は中国·四川省出身。北海道大学大学院国際広報メディア研究科を修了後、日本のエネルギー関連の製造業企業で3年間勤務した。その後、武蔵野美術大学大学院彫刻専攻に進学し、現在に至る。これまでに「国際瀧富士美術賞」優秀賞(2023年)、「TOKYO MIDTOWN AWARD 2024」優秀賞などを受賞。
展覧会について
アーティスト何梓羽による本展《リアリストが追放地にて》は、現代におけるリアリズムと逃避、制度と異化空間の構造をめぐるインスタレーション作品を通して、現実と虚構の交錯する場を構築します。
中心となる新作インスタレーションは、フランツ·カフカの短編小説『流刑地にて(In der Strafkolonie)』から着想を得ています。作品内では、精巧に構築された処刑装置が異様な静けさの中で語られますが、その異常性が制度の一部として無批判に受け入れられている点に焦点が置かれます。何はこの小説が描く空気感をもとに、工業素材、金属フレーム、網構造、機械的な部品などを用いた装置的空間を構築。観客はその中を身体的に通過しながら、秩序と不条理の混在、視覚と制度のズレを経験することになります。
本展は、逃避でも帰属でもない「追放地」において、リアリズムがどのように矛盾と向き合うのかを問う試みであり、鑑賞者に自身の立ち位置を測り直すことを促す空間でもあります。



展示風景
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