ひとりごと2024
馬樹青
2024年10月5日(土)-10月15日(火)
11:00 - 18:00
月曜休館
東京にあるアートスペースARTiX³は、中国人アーティスト馬樹青氏の日本初個展を開催する。本展では、馬の代表的な作品が展示され、彼が抽象絵画に対する純粋な表現を一貫して追求してきた姿勢や、色彩の重ね塗りによって視覚的空間を構築するその独自のロジックが示される。アーティスト自身が次のように語る。
「日々、絵を描くことが私の日常となっている。
時間、空間、そして色彩——これらを通じて時空の概念を表現し、不可視なものを可視化することが、私の絵画のすべてである。
日常の視覚は三次元だが、絵画は二次元であり、それは新たな視覚次元をもたらす。
絵画には制約があり、すべてが境界内と平面上で起こる。それが時間と空間の叙述方法を変える。
絵画の自由は、それ自体の制約から生まれる。
あまりに多くの思考や意図を含んだ作品は、絵画を退屈なものにしてしまう。絵画は他者に何かを伝えることはできないし、他のものを代替することも、また代替されることも望まない。絵画は独立で、具体的である。
絵画にプログラムを設定することはできない。むしろ、リスクや失敗が、各作品の異なる制作過程を形成する。
作品の完成がどう完璧になるかを考えるのに、あまり時間を費やしたくない。実際、私はほとんどの時間、状況を制御できない状態にいるが、それが新しい可能性を生み出す。それが絵画の楽しさではないだろうか?
概念や素材に関する様々な探求や試みを行っているが、それでも古典主義の静寂と沈黙に近づきたいという願望を捨てることはできない。しかし、絵画は桟橋のようなもので、毎日私に希望を与えてくれる一方で、その先の岸に連れて行くことはできない。
世界はあまりにも広大で、絵画は私がそれに触れる唯一の触角である。」
(馬樹青 2024.09.01)
©️Ma Shuqing
©️Ma Shuqing
©️Ma Shuqing
[ 関連イベント]
トークイベント:純粋なるもの -色彩と空間の可視化-
馬樹青(画家)x 加藤良次(美術家‧横浜美術大学学長)
2024年10月12日(土)15:00-17:00
馬樹青氏は次のように考えている。「実際、私たちは空間を見ることはできず、空間の中にある物体を見ているのです。」今回の対談では加藤良次氏と、異なる個体がどのように色彩を用いて空間の中で異なる感情や非感情を伝えるのか、そして中立的な「物」としての色彩が、見えない空間の概念をどのように可視化するかを解析する。
アーティスト:
馬樹青(マー‧シューチン)
画家。
中国美術家協会およびフランス芸術家協会の会員。
1973年から1976年まで天津工芸美術学校でデザインを学ぶ。
1989年から1994年までドイツのミュンヘン美術院で自由芸術‧絵画を専攻し、学士と修士の学位を取得。
現在は北京とパリを拠点に創作活動を行っている。
加藤良次(かとう りょうじ)
美術家。
横浜美術大学学長、JTC日本テキスタイルカウンシル代表理事。
東京藝術大学大学院修了。
2014~奈良県五條市赤根染めプロジェクト参画、2019年清州国際工芸ビエンナーレ招待出品、 2023年釜山国際アートフェア外国人招待枠出品、2015~2023年「寺家回廊」他多数。
ポリエステルなどの化学繊維をベースにスクリーン捺染技法による作品を制作し、産業染色と芸術作品の臨界点を探っている。