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非“疫”常

​汪 博文

2023年7月4日(火)-7月9日(日)

​11:00 - 18:00

(月)休館

 

 

©汪 博文

 コロナ禍の影響で、日本で留学している私は3年ぶりに、幼い頃からずっと過ごしてきた場所 に帰ってきました。八百屋、体育館、花鳥市場、屋台街...... ありふれた市井人の日常生活が私に とっては非凡な意味を持ちます。

 展覧会「非“疫”常」というタイトルは、中国語の「語呂合わせ」を用いています。「疫」は 疫病を指すだけでなく、中国語で異常の「異」と同音です。「非異常」は二重否定であり、つま り異常なしを意味します。コロナ禍前、周りは生き生きとした生活の息吹が満ちており、売り子 の声や笑い声が絶え間なく響いていました。しかし、コロナ禍が訪れると、最もにぎやかな場所 は瞬く間に人々が避けるべき場所となり、「非“疫”常(異常なし)」は「“疫”常(異常)」とな りました。コロナ禍が安定に向かうにつれ、これらの場所は徐々に以前の騒がしさを取り戻しは じめています。

 コロナ禍の3年間、私たちは在宅勤務やオンライン学習に慣れました。遠距離コミュニケー ションが人と人の距離を広げ、私たちの周囲の人々への感知能力を弱め、自己中心的に陥ってし まいました。あわただしい3年が過ぎ、皆がマスクを外し、「非“疫”常」の生活に戻った時、私た ちはどのように向き合うべきでしょうか?見えないウイルスは再び襲ってくるのでしょうか?そ んな疑念の中、私は電子メディアを通じて外界と交流する象徴であるiPadを「マスク」として身 につけて、「非“疫”常」の光景に飛びこんで、セルフポートレイトを切り取りました。

汪 博文

 

​ 1998年中国浙江省生まれ。

 成安造形大学写真コース在学中。

 澤田知子、金澤徹に師事。

 来日後、人と人、人と社会との関係性を探求し、セルフポートレイトに関する制作と研究に取り組んでいる。

 

 

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