top of page

漣ーー日中現代アーティスト‧リレー展

Ripple-Contemporary Japanese and Chinese Artists Relay Exhibition

2023年9月30日(土)-12月17日(日)

​11:00 - 18:00(月)休

 

 

主催‧企画:ARTiX³

共催:一般社団法人日本国際文化芸術協会

助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[東京芸術文化創造発信助成]

グラフィックデザイン:熊 万葉
フォントデザイン:翟 倩文

『19世紀まで、ギリシャ語を語源とする「美学(Aesthetics)」は、五感による感覚や身体感覚による知覚とあらゆる点で関係していたが、知性や観念とは一切関係のないものだった。』(Beatriz Colomina & Mark Wigley『我々は人間なのか?』より引用。)

 

対面交流が著しく減少した三年間、ほとんど平和時代に生きてきた我々は不可抗力で一旦自由な交流を奪われたゆえに、生身で感じ取るものの美しさと大切さを考えはじめた。ポスト‧コロナ、人員的な国際交流が回復しつつある今、同世代の日中アーティスト六人がこの新しい世界で今後どのような創作活動を展開していくのかを楽しみにしながら、本展をきっかけにそれぞれ新たな関係性を築き、より広い舞台で活躍できるような場になることを試みる。

 

「漣」ーー日中現代アーティスト‧リレー展の出展作家は「当世の若者」を代表する門馬さくら(日本)、Lee He-Yi(中国)、鈴木のぞみ(日本)、蔡東東(中国)、千賀健史(日本)、楊圓圓(中国)の六人により構成され、刺繍、オブジェ、映像、写真など様々な材料と表現法を応用した作品を作り上げ、リレーで展示することによって連綿とつながる「美学」また社会問題意識に身を置いて生きているアーティストたちの新しいアイデンティティーを掘り出す。

 

我々はまだそよ風で、小雨にすぎない。まだ小さな漣しか起こせないものの、日中両国の若手現代アーティストに交流‧展示の場を提供することにより、共に日中現代アートに美しい漣の連鎖を作り出すことを目指したい。

[ 展示スケジュール]

9月30日ー10月8日 門馬さくら Sakura Momma

10月14日ー10月22日 Lee He-Yi

10月28日ー11月5日 鈴木のぞみ Nozomi Suzuki

11月11日ー11月19日 蔡東東 Cai Dongdong

11月25日ー12月3日 千賀健史 Kenji Chiga

12月9日ー12月17日 楊圓圓 Luka Yuanyuan Yang

[ 関連イベント]

[ アーティスト‧トーク ]

10月14日 門馬さくらxLee He-Yi

11月11日      鈴木のぞみx蔡東東

12月15日    千賀健史x楊圓圓

12月16日 パネル‧ディスカッション

                   ゲスト:伊藤俊治(美術評論家)、李振華(インディペンデント‧キュレーター)

           参加アーティスト全員

           司会:許力静(ARTiX³)

               
[  ワークショップ ]

10月7日 刺す!ビーズで立体刺繍を with 門馬さくら

10月15日  切る!紙一枚の現代アート with Lee He-Yi

11月4日    覗く!穴を通して不思議な街へ with 鈴木のぞみ

11月26日  造る!フォトのストーリー with 千賀健史

 

*関連イベントの参加方法及び詳細は後日ホームページにて発表させていただきます。

[ アーティスト紹介]

門馬さくら

1995年東京生まれ。2017年武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業後、渡仏。エコール‧ルサージュにて刺繍を学ぶ。2022年東京藝術大学大学院先端芸術表現科修了。

 

<展示>

‧個展

2023年

AMULET form of pray (GINZA ninen gallery,東京、momo ice cream,山梨)

2021年

Hiding a face to become someone(阪急うめだ本店5FDress Gallery、大阪)

‧グループ展

2023年

藝大アートジャーニー(メトロ銀座ギャラリー、東京)

LOBBY(fruit hotel taipei、台北)

令和3年度 東京藝術大学卒業‧修了作品展(東京藝術大学、東京)

コミテコルベールアワード2022-The beauty of imperfection (東京藝術大学大学美術館、東京)

2021年

We pray(Gallery De Room 702、大阪)

2020年

New nomal,abnomal,変わらないもの(とりでアートギャラリー、茨城)

2019年

ブルガリメチェナーテ(ブルガリ銀座、東京)

コミテコルベールアワードー令和:新しい時代(東京藝術大学大学美術館、東京)

アトラス展(東京藝術大学取手校地、茨城)

2017年

武蔵野美術大学テキスタイル専攻卒業制作展(SPIRAL、東京)

<受賞歴>

2022年

メトロ文化財団賞

杜賞

2019年  

コミテコルベールアワードグランプリ

ブルガリメチェナーテ入賞

2017年

武蔵野美術大学卒業制作優秀賞

シャネルベストサヴォアフェール選出 

 

 

Lee He-Yi

1990年生まれ。立体アート作家。2013年Deakin Universityフィルム アンド デジタル メディア学士号、2017年武蔵野美術大学彫刻専攻修士号、2023年東京藝術大学先端芸術表現科博士号を取得。民藝運動が提唱した美学を背景に、廃材、主に廃棄された紙を利用し、作品制作に取り組んでいる。常に未来に対する不安というテーマを探求し、変動し続ける状態における感覚や、人々がいかに未知なるものに対応していくのかをめぐる思考を、彫刻、絵画、その他さまざまな媒体を用いて具現化し、見る者に沒入感のある体験を与える。そして、作品を通して不安や混乱を伝いながら、不確実なものに直面した人間の精神的回復力も探求し続けている。

 

鈴木のぞみ

1983年埼玉県生まれ。2007年に東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻を卒業後、独学で写真メディウムを用いた作品制作をはじめる。2019年に平成30年度ポーラ美術振興財団在外研修員としてイギリスにて研修。2022年東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。写真の原理を用いて事物に宿る潜像のようなイメージの顕在化を試みる。

 

主な展覧会に2023年「セレンディピティ日常のなかの予期せぬ素敵な発見」東京都写真美術館(東京)、2022年「潜在景色」アーツ前橋(群馬)、2021年個展 「The Rings of Saturn / Mirror with a Memory」rin art association(群馬)、2020年個展「Unknown Image Series no.8 #2 Light of Other Days-土星の環」void+(東京)、2017年「無垢と経験の写真 日本の新進作家vol.14」東京都写真美術館(東京)、2017年個展「Mirrors and Windows」表参道画廊(東京)、2016年「NEW VISION SAITAMA 5 - 迫り出す身体」埼玉県立近代美術館(埼玉)、2016年個展「去りにし日々の光」アンスティチュ‧フランセ東京ギャラリー(東京)などがある。

 

主な受賞に2016年「現代美術の展望VOCA展」VOCA奨励賞、2015年「アートアワードトーキョー丸の内2015」フランス大使館賞、2015年「TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD 2015 #5」後藤繁雄賞などがある。2022年に作品集『LIGHT OF OTHER DAYS』(rin art association)を刊行。作品は東京都写真美術館やアーツ前橋などに収蔵されている。

* 写真:平林岳志(grasshopper)

蔡東東

1978年甘粛省天水市生まれ。2002年北京電影学院に入学。写真、インスタレーション、ビデオを主な媒体として、写真の裏にある複雑な文化的問題に焦点を当て、視覚文化の観点から「写真」を画像の歴史や地図学の歴史に導入し、表現に関する表現や観賞の権力における問題を研究している。現在、北京とベルリンを拠点に活動中。

 

これまでにイタリアTerna Contemporary Art Award 03最優秀賞を受賞、2018年ニューヨーク·タイムズによって写真創作の新しい方向を示す8人のアーティストの一人として取り上げられた。2015年中国現代写真トップ20に選出。2021年写真集「生活史」、2022年写真集「左右」を出版。主な展覧会にGoslarer Museum(2021年、ドイツ·ゴスラー)、ヘルムートニュートン写真美術館(2017年、ドイツ·ベルリン)、Pully Museum of Art(2017年、スイス)、泰康スペース(2016年、北京)、クンストラウム·ポツダム(2016年、ベルリン)、民生美術館(2016年、上海)、三影堂写真芸術センター(2015年、北京)、中央美術学院美術館(2015年、北京)、越後妻有三年展(2015年、新潟県)、フォルクヴァンク美術館(2015年、ドイツ·エッセン)、ペース北京(2014年、北京)、何香凝美術館(2014年、深セン)、欧州時報文化センター(2014年、ウィーン)、オハイオ州立大学芸術センター(2014年、アメリカ)、中国美術館(2011年、北京)、UNIDEE財団(2011年、イタリア·トリノ)、広東美術館(2005年、広州)など。

 

 

千賀健史

1982年滋賀県生まれ。大阪大学卒業。制作には入念なリサーチがベースとなっており、目に見えないものや撮影が困難なものを主題に合わせたコンセプチュアルな手法で見せる作品を制作している。インディペンデント‧キュレーターの後藤由美氏に「日本の現代社会、文化、歴史の問題を世界に向けて視覚的な物語として提示したい時に思い浮かぶ写真家の一人であり、複雑な物語構造を視覚化する能力は他の追随を許さない」と評され、作品は国内外で高く評価されている

 

主な作品に「THE SUICIDE BOOM」「HIJACK GENI」などがある。シンガポール国際写真祭でBest Dummy Book Award、 大理国際写真祭でGoldfinch Best Emerging Photographer Awardを受賞など。

 

楊圓圓

1989年北京生まれ。視覚芸術家、映画監督。2013年ロンドン芸術大学を卒業、写真の学士号を取得。彼女の作品は常にドキュメンタリーの素材とアーカイブが織り交じる形で構築されている。実在と虚構の要素を組み合わせることで、作品を通じ固定観念や伝統的な歴史的解釈に挑戦しつつ、忘れ去られたもの、沈黙させたもの、捻じ曲げられたものに関心を持つ。

 

映画作品は『The New Yorker』誌に掲載、またニューオーリンズ映画祭、アトランタ映画祭、カムデン国際映画祭、Asian American International Film Festival、台湾国際女性映画祭などに上映。初めての長編映画『Chinatown Cha-Cha』(ポストプロダクション作業中)は、ゴッサム‧インディペンデント映画賞、Doc Edge、平遥国際映画祭、北京国際映画祭、CNEX Chinese Doc Forum、山一国際女性映画祭、海浪映画週などの団体や映画祭に支援されている。

 

視覚芸術作品はCentre for Heritage, Arts and Textile(香港)、外灘美術館(上海)、上海当代芸術博物館、時代美術館(広州)、Times Art Center(ドイツ)、華美アート協会456ギャラリー(アメリカ)、Art in General(アメリカ)、ウルグアイ現代アートセンター、木木美術館(北京)、三影堂写真芸術センター(北京)、金鷹美術館(南京)、四方現代美術館(南京)、OCAT(北京、上海、深セン)、AIKE(上海)、モダンアートベース(上海)、上海都市空間芸術祭などに出展。なお、KADIST基金およびアジアン‧カルチュラル‧カウンシルの支援を受けた。これまでにブルガリ‧アウローラアワード(2023年)、Power 100(2019年)、新鋭写真賞ノミネート(2016年)、華宇青年賞ノミネート(2016年)、フランス‧アルル写真祭The Arthor Book Award(2015年)、Magenta Foundation Flash Forward写真賞(2013年)、三影堂ティアニー‧フェローシップ(2012年)などを受賞。

 

[ パネル‧ディスカッション‧ゲスト紹介]

 

 

 

伊藤俊治

美術史家、美術評論家、東京藝術大学名誉教授

 

1953年生まれ。東京大学文学部美術史学科卒業、東京大学大学院人文科学研究科修了(西洋美術史専攻)。多摩美術大学教授を経て東京藝術大学教授。現在東京藝術大学名誉教授、多摩美術大学客員教授、京都芸術大学大学院教授を務める。主要著書に『写真都市』『ジオラマ論』『機械美術論』『電子美術論』『裸体の森へ』『愛の衣裳』など多数。国際展覧会企画に「四次元の知覚」(オーストリア、グラーツ),「移動する聖地」(東京)「デジタルバウハウス」(東京)など多数。

李振華

1975年生まれ。現在はチューリッヒ、ベルリン、香港を拠点に活動。1996年以来キュレーション、創作活動、アート‧プロジェクトマネージメントに従事。

パウルクレー‧センターSummer Academy(2010年、スイス)、Prix Pictet(2010年以来、スイス)、The Sovereign Asian Art Prize(香港)、Future Generation Art Prize(ウクライナ)の推薦者、また2014年イギリスのバービカン‧センターにて開催された展覧会「Digital Revolution」の国際諮問委員会のメンバーなどを務めていた。

 

2000年以来、映画上映会などを企画‧実施。映画監督と交流の場を提供し、中国ドキュメンタリー映画を積極的に紹介してきた。2004年より中国インディペンデント映画祭(CIFF)に参画。2015年雎安奇監督の映画『詩人、出張スル』、2007年沈少民監督のドキュメンタリー映画『俺たち中国人』をプロデュース。2010年「Heat: ZHANG Yuan」を企画。2014年より現在に至り、香港アートバーゼル映画プログラムのキュレーターに任命されている。

 

なお、ショーティ短編映画祭(スペイン、2003年)、ナポリ映画祭(2006年)、Transmedialeアートフェスティバル(2010年)、CCAA中国現代美術賞(2012年)、ファントッシュ‧アニメーション国際映画祭(スイス、2012年)、中国インディペンデント映画祭(CIFF)(2012年)、アート‧アワード‧チャイナ(2015-2016年)、2021年韓国文化院のドイツ‧イギリス公募プログラム、2021年DAAD2022ベルリンアーティスト‧イン‧レジデンスプログラムの最終審査員を務めた。

 

編集者として、アーティストの自主出版物の出版事業に参加。主な出版物に曾喆『Another Place, Some Other Time』(2022年)、顔磊『What I Like to Do』(ドクメンタ13出版物)、胡介鳴『One Hundred Years in One Minute』(2010年)、冯夢波『西遊記』(2010年)、杨福东『Dawn Mist, Separation Faith』(2009年)など。また、芸術評論文集『文本』(2013年)を出版。

 

2015 ART POWER 100キュレーター賞(中国、2014年)、TANC Asia Prize年間キュレーター賞(上海、2015年)、第3回ウラルビエンナーレThe Regional Contemporary Art Project INNOVATION Prizeを受賞。

蔡东东-profile.jpg
WechatIMG163_edited.jpg
bottom of page